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フリーランスの書籍代も経費にできる!経費にするときの注意点も解説

フリーランスの皆さんのお尋ねします。

仕事で書籍を使うことはありませんか?

フリーランスが売上から引ける経費にはいろいろなタイプがあります。
仕事に使う機器や事務用品の費用はもちろん経費ですし、仕事で使っているネットサービスやフリーランスの仕事の宣伝広告費用なども経費です。
仕事の打ち合わせのための交通費なども経費ですし、仕事の打ち合わせ時にスタバで飲んだコーヒーなども経費にできるのは、わりと有名な話ではないでしょうか。

経費の中には意外と知られていないものがあります。そのうちのひとつが「書籍代」です。

ここでもう一度、フリーランスの皆さんに確認します。

仕事で使っている書籍はありませんか。購入代は経費にしているでしょうか?忘れていませんか?

今回の記事では、フリーランスエンジニアが経費に入れるのを忘れがちな「書籍代」について取り上げます。書籍代を経費計上するときの考え方や経費にできる書籍とできない書籍などを徹底解説します。

フリーランスエンジニアは経費を計上するほど節税できますので、取りこぼしのないように経費についての基礎知識を固めておきましょう。

フリーランスエンジニアは書籍も経費にできるって本当?

フリーランスエンジニアは書籍も経費にできます。

これは本当です。

そもそも考えてみてください。フリーランスエンジニアの仕事に使う機器や事務用品などは経費にできるのに、なぜ書籍は駄目なのでしょう。書籍だからという理由で駄目と言われてしまうと理屈に合いません。

フリーランスエンジニアが書籍を購入した際は経費に計上できる可能性があります。まずこの点をはっきりさせておきましょう。

書籍を購入したレシートなどは「エンジニアの確定申告では使えないだろう」と思って捨てず、とりあえず保管しておきましょう。

フリーランスの経費とは?まずは経費の考え方の確認

書籍代金を経費計上することにゆいての詳しい話の前に、まずはフリーランスエンジニアの経費についての考え方について簡単に確認しておきます。

フリーランスの経費とは「仕事にまつわる経費」です。仕事に使う道具やサービス、交通費など、仕事の関する支出は基本的に経費になります。また、自宅で仕事をしている場合は、自宅の家賃や光熱費なども、私生活と按分するかたちで経費に算入可能です。仕事に関係している支出であれば、基本的に経費として参入OKになります。

フリーランスの経費については別記事にまとめています。別記事の方では経費にできる支出を個別に解説していますので、フリーランスの節税・税金の基礎知識としてぜひ参考にしてください。

逆に考えると、仕事に関係のない支出はどれだけ節税したくても経費にできないということです。生活費などは仕事とは関係ありませんし、生きていく上では誰しも普通に支出しますよね。こういった費用はどれだけかさんでも経費にできませんので注意してください。

書籍を経費に計上するときの考え方

書籍についても仕事に関係ある以上、経費計上は可能。

たとえば、フリーランスエンジニアの仕事のために専門書を購入したとします。専門書で勉強し、知識やスキルをフリーランスとしての仕事に活かしました。このようなケースでは、書籍は仕事にまつわるものですから、書籍代を経費にすることが可能です。

また、フリーランスの仕事に関する業界紙を購入したとします。業界紙も仕事をするときの情報源として役立ちますよね。仕事に関係しているわけですから、もちろん基本的に経費に組み入れることが可能です。

このように、書籍への支出=仕事に関係している という場合は書籍代も経費にできるわけです。反対に言うと、仕事に関係のない書籍は経費にできません

フリーランスの経費についての考え方を思いだしてください。書籍代を経費にできるかどうかも、基本的に経費に関する考え方と同じです。フリーランスの経費についての考え方を理解していれば書籍代についても、ある程度自己判断できるのではないでしょうか。

ただ、問題になるのは、仕事に関係があるとはどの程度を指すのか、です。仕事に僅かでも掠っていれば経費計上が許されるのか、それとも、かなりしっかり仕事に食い込んでいないと経費計上が許されないのか、判断の難しいところではないでしょうか。

書籍を経費計上するときは「説明できるか」が重要

書籍を仕事の経費として計上するときは、かなりざっくりと「仕事に関係している」というかたちで問題ありません。

重要になるのは、仕事に関係していることを説明できるかどうかです。

たとえば、英会話のテキスト書籍を購入したとします。フリーランスエンジニアが英会話のテキスト書籍を購入するというのは、一見すると仕事に関係ないように思われます。第三者視点的には「仕事ではなく趣味の書籍だろう」という印象を抱くのではないでしょうか。

しかし、そうとも言い切れません。

たとえばフリーランスが将来的に英語をマスターして国外の案件にも手を出そうと考えていたらどうでしょう。第三者視点では「趣味の書籍ではないか」という英会話テキスト書籍も仕事と関係あるという理屈になるわけです。書籍の場合は第三者視点で「趣味のもの」と見られることも多いのですが、少しでも仕事と関係があることを説明できれば問題ありません。

書籍の内容やタイトルにとっては税務署などから経費面で質問されることが想定されます。その際も、仕事と関係があることをはっきり説明できれば、かなり広い範囲の書籍を経費計上可能です。

書籍代を経費として計上できるかどうかは「仕事に少しでも関係がある」かつ、「関係があることを自分で税務署などにしっかり説明できる」ことが判断ラインになります。

なお、当然ですが、仕事と僅かにかすることもない本当に趣味のためだけに購入した書籍は経費計上できません。この点には注意してください。

この書籍代は経費にできる?漫画や雑誌など

もう少し具体的に経費にできる書籍について見てみましょう。

繰り返しますが、経費にできる可能性の高い書籍でも、仕事と一切関係ない場合は経費計上が困難です。逆に一般的には「仕事に使わないだろう。趣味では?」という感じの書籍でも、仕事との関係を説明できれば問題ありません。この点については、もう一度しっかり頭に入れておいてください。

フリーランスエンジニアが購入した専門書

フリーランスエンジニアにとって勉強は仕事と一体のようなものではないでしょうか。専門書で勉強することも、仕事をより幅広く受注するためや、仕事の質を上げるためには重要なことです。専門書に関しては第三者視点的にも「仕事に関係があるのだろう」と思われる可能性が高いことでしょう。

専門書については経費に計上できる可能性が高くなります。ただ、仕事のどのような部分に関係があるのか、しっかりと説明できるようにしておきましょう。

フリーランスエンジニアが購入した技術書

技術書についても専門書と同じです。フリーランスエンジニアとして仕事をこなすためには技術の向上は重要ではないでしょうか。
仕事関係で苦手分野やスキルアップをはかりたい場合も技術書は重要です。専門書と同じく書籍代を経費として認めてもらえる可能性が高いと言えるでしょう。

フリーランスエンジニアが購入したテキスト書籍

例で挙げた英会話のテキストや資格試験のテキストなどです。

資格試験のテキストについては、仕事に関係があることを説明できれば経費として認められる可能性が高いと言えるでしょう。フリーランスとして仕事をする中で仕事関係の資格を取得する人や、仕事に使うために新しい資格を取得する人は珍しくありません。

英会話など仕事とは直接関係のない分野でも「仕事先の人と話すため」「仕事に英語を活かしたいと思うが、英会話スクールに通うお金がない」など、仕事との関連性を説明できれば経費計上が認められる可能性があります。他の資格テキストに関しても同様です。

フリーランスエンジニアが購入した図鑑

フリーランスエンジニアが図鑑を購入した場合、その図鑑をどのような意図で購入したかによって判断が分かれる可能性があります。図鑑は技術書や専門書より仕事との関連性が薄いと思われがちだからです。

たとえば、フリーランスエンジニアが仕事のためのデザインの参考として図鑑を購入したとします。このようなケースでは、説明さえできれば経費計上できる可能性があります。

フリーランスエンジニアが購入した投資や税金の本

フリーランスが仕事をするうえで資金や税金について勉強するのは当然のことではないでしょうか。よって、投資や税金の本については、説明さえしっかりできれば購入代金を経費として認められる可能性が高いと考えられます。

フリーランス同士や事業主同士で話をする場合も、投資や税金についてはよく話題になります。話題作りという点でも、仕事に関係する書籍ではないでしょうか。

フリーランスエンジニアが購入した娯楽小説や自己啓発本

娯楽小説や自己啓発本も、仕事と関係があれば基本的に経費計上できる可能性があります。

たとえば、仕事の重要クライアントが本好きだったとします。クライアントから小説本を勧められました。娯楽小説を読むことにより、クライアントと話題に盛り上がり、仕事や取引がスムーズになる可能性があります。このような場合は、仕事に関係があると言えるでしょう。

自己啓発本なども重要です。自己啓発本の中には経営者が書いた書籍もあります。先輩経営者の考えややり方を仕事に活かすという場合も、やはり仕事に関係ありと言えるでしょう。

フリーランスエンジニアが購入した新聞や冊子など

新聞や冊子などを購入した場合も、仕事のための話題作り(ニュースや業界の動向を知っておくためなど)の場合は仕事に関係があると言えます。仕事とある程度関係があれば、経費として認められる可能性が高いでしょう。

フリーランスエンジニアが購入した漫画本の扱い

問題になるのが漫画本です。

漫画本は技術書や専門書のように「仕事と関係がある」と思われることは、まずありません。フリーランスが漫画を購入した場合、多くの人は「趣味だろう」「娯楽だろう」と考えるはずです。実際、漫画本の購入代金は経費計上が難しいと言われています。

しかし、経費計上が不可能というわけではありません。なぜなら、漫画を購入する事情もさまざまだからです。

たとえば、フリーランスエンジニアをしながらライターをしていて、「漫画を読んでコラムを書いて欲しい」と言われたらどうでしょう。コラムを書くには漫画を読まなければならないわけですから、十分に経費として認められる余地はあります。

また、漫画のかたちをとっている学問や技術の解説書も存在しています。「漫画で読む経済学(仮)」などです。このような本の場合は、漫画だからといって即座に仕事と関係ないと判断することはできません。

漫画本は経費計上が難しいと言われますが、一切認められないというわけではありません。

フリーランスエンジニアが購入したエロ本はどうなるのか

経費計上が難しいというより、経費にしようとあまり考えないのがエロ本です。

当然ですが、エロ本も経費計上は基本的に難しい書籍です。ただ、仕事内容によっては、どうしても性描写の在る書籍や性的な画像などが掲載されている書籍を購入しなければならないケースもあります。

フリーランスエンジニアの仕事内容に関係がある場合は、経費計上を検討し、しっかりと仕事との関連性を説明できるようにしておきましょう。

書籍を経費にするときの注意点

書籍を経費にするときに注意したいポイントはふたつあります。

  • 仕事用の書籍は購入時にレシートや領収書を分ける
  • レシートや領収書に用途を鉛筆書きしておくと便利

書籍代は仕事に関係していれば経費にできますが、支出したかどうか証明できないものは経費計上が難しくなります。

たとえば、購入した書籍のレシートや領収書などがない場合です。書籍を購入した場合は支出額などが分かるよう、しっかりと記録を保存しておきましょう。レシートや領収書がない場合はクレジットカード明細など、とにかく証拠になるものを準備してください。

また、書籍購入時は領収書やレシートなどに、鉛筆で用途や目的などをメモしておくと便利です。確定申告のときに書籍代について説明を求められたときに、メモを利用して仕事との関連性を説明できます。

書籍も立派な仕事道具!忘れずに経費にしよう

フリーランスエンジニアにとって書籍も立派な仕事道具です。仕事に必要な書籍の購入代は経費にできますので、忘れずに計算に使ってください。

ただ、書籍は性質上「娯楽」と思われがちです。書籍を経費に計上するときは、その書籍と仕事の関係をしっかり説明できるようにしておくことが重要です。