エンジニアが会社を設立し運営するステップ(S→B)

https://engineer-for-bizowner.net/?page_id=316

ここまでエンジニアがE:会社員(Employee)からS:自営業者(Self Employee)として働く方法について解説してきました。ある程度、経験年数のあるエンジニアであればそれほど難しいステップではなかったのではないのでしょうか?

次はいよいよS:自営業者(Self Employee)からB:ビジネスオーナー(Bussiness owner)へ進むためのステップを解説していきます!

会社設立し自分が働かなくてもお金を生み出していく仕組み作りを具体的に説明していきます。
ここで実際に説明していく事業はSES事業。もちろん別の事業でも良いのですが、今後バイアウトしていく可能性を高めるためにSES事業を選択していきます。

会社を作る目安や会社を作る理由・SES事業のメリットなどは以下にまとめていますのでぜひ読んでみて下さいね!

会社を設立する

初めての会社設立では何から始めればいいか分からないことばかりかと思います。
私も実際、右も左も分からないところから会社設立をしましたが、準備開始から1カ月程度でなんとか登記作業は全て終わらせることができました。

司法書士に頼むと簡単ではありますが余分なお金が掛かりますので、ここでは全て自分で行えるよう解説していきます。

設立に必要な手続き費用

株式会社を創業するために必要な手続き費用は電子認証定款を用いることで約20万円程度で手続きが可能です。

認証手数料:5万円
謄本手数料:約2千円
登録免許税:15万円
定款の電子認証手数料:5千円 (※)

(※)定款を電子認証にしない場合は4万円の印紙代が掛かりますが、以下の会社設立freeeを用いれば電子認証手数料5千円のみで印紙代は不要となるため3.5万円の節約となります。

会社設立freee

会社設立前に準備する

まず会社を設立する前に準備するものがあります。
以下に準備物をまとめましたので以下を確認しながら準備していきましょう。

会社を登記する

次に実際に会社の登記に進んでいきます。
以下を確認しながら会社の登記を進めていきましょう。

登記後にすべき手続き

会社の登記手続きが完了したら次に各役場等への手続きが必要になります。
以下を確認しながら手続きを進めていきましょう。

会社を設立したら導入するべきサービス

ここでは会社を運営する時に必要なサービスを紹介しています。
本当に最低限のサービスのみの紹介になるので他に必要なものがあれば各自で選択して利用するようにして下さいね。

SES事業を運営していく

会社を登記したら、いよいよSES事業を軌道に乗せるため進めていきます。
エンジニアの皆さんは既にフリーランスとしてSES事業に関わっている方も多いと思いますが、改めてSES事業の基本をおさらいも兼ねてこちらを読んでみて下さいね!

軌道に乗るまでの運営方法

最初のうちは自身は稼働の安定した案件に従事する

ここまで順調に進めてきた方ですと、会社を設立したばかりの1人会社の状態であることがほとんどかと思います。
SES事業が軌道に乗るまでは、まずはエンジニアのあなた自身がSESで現場に出て働く必要があります。
(もし力のある方で受託開発の方が生産性よく稼げるようでしたら、その選択でも問題ありません)

その時に重要なのが、単価よりも稼働が安定した案件を選択するようにしたいところ。

「自分が働いてお金を生み出すために使う時間」は1日8時間まで。それ以外の時間は「お金を生み出す仕組みを作るための時間」に充てるようにしていきましょう。

もしフリーランスの頃から継続している案件が忙しく、会社の営業活動や採用活動に時間を割けない場合は、別の案件への移行を検討してみて下さい。

もしエンジニアを採用できたりフリーランスとして協力してくれる人が出てきた場合、その人が携わる案件を探す必要が出てきます。
この場面ではクライアントはそれほど多くない場面かと思いますので、案件探しに関してはフリーランス同様に、エージェント企業に案件を探してもらうのが良いでしょう。

エージェント企業もIT人材不足の中、苦労していますので喜んで案件を持ってきてくれるはず。
エージェント企業については以下にてまとめていますので参考にしてみて下さいね!

会社に利益を残す

自身が上げた利益は全てを役員報酬にはせずに会社に利益を残すようにしましょう

毎月会社として黒字である期間が長い会社ほど社会的な信用が上がり、取引先の与信に通りやすくなったり、将来的に銀行から低金利で借入することができるようになります。

そして代表取締役であるあなた自身の信用も上がるので、会社を作った当初だと作れなかったクレジットカードが作れるようになったり、組めなかったローンを組めるようになったりします。

エンジニアの採用方法

SES事業ではエンジニアの確保というのが利益に直結するもので最も力を入れるべき事項です。
採用については各会社の理念に合う方法があります。会社の理念や自分に合う採用方法を模索してエンジニアを集めていきましょう。

クライアントの獲得方法

クライアントの獲得も地道に進めていく必要がありますので空いた時間を使ってできるだけクライアントを見つける活動をしていきましょう。

ここについても今後エンジニアのクライアントを獲得していく方法をまとめて解説していく記事を公開予定です。

軌道に乗ってきた後の運営方法

エンジニアが増えてきて自分が利益を上げなくても会社が黒字化するようになったら、ぜひ以下を検討し実施していきましょう。

営業や人事や広報のメンバーを雇う

エンジニア以外の間接部門を担う社員を雇うと固定費が掛かります。

しかし、もしSESの営業を雇った場合、その人が優秀であるほどレバレッジが利いてきてより収益を上げられる可能性が多くなってきます。人事や広報も優秀な人を迎え入れればエンジニアが増え収益が増える可能性が大いにあります。

そしてその利益を使ってまた別のメンバーを雇っていくことができるようになっていきます。
間接部門を担う社員を雇うことは、会社を成長させるためには必要な投資です。

どういう戦略で会社を運営していくかをしっかり考えた上で営業や人事や広報を雇っていくようにしましょう。

あなた自身がSESで携わる工数を減らす

SESで案件に入っていると、どうしても社内のエンジニアに対する人事施策や営業面での活動がおろそかになってしまうことがあります。
SESで稼働する工数を減らし人事施策をしっかり検討していくことで社員の定着化を図り土台をしっかり作っていくことが必要となってきます。

そうしているうちに自分が働かなくても会社が回っていくための仕組み作りが出来上がっていくことに気付くと思います。
つまり、仕組みがお金を生み出している状態となっているのです。こうなればB:ビジネスオーナー(Bussiness owner)の仲間入りとなります。

バイアウトを考えた会社運営をする

会社を運営していく中で将来的にバイアウトすることを考え会社を運営していく必要があります。
次のバイアウトをするためのステップの中でバイアウトを考えた運営方法を解説しますのでぜひ参考にしてみて下さい。

会社を運営する上で大切なこと

ここまでエンジニアがS:自営業者(Self Employee)からB:ビジネスオーナー(Bussiness owner)に成長していくためのステップを解説してきました。

中々エンジニアが集まらなかったり、社員が増えていく中でメンバーと衝突したり、人事施策で苦労することも多々あると思います。

そんな中で大事なことは「うまくいくまで続ける」ことです。

実はSES事業は参入障壁が低い分、中途半端に手を出してすぐに結果が出ず諦めてすぐ辞めて廃業してしまうことが多い事業でもあります。

しかし今はうまくいっているように見えるような会社も、最初はあなたと同じ状況から始まり諦めないで「うまくいくまで続ける」ことをして成功してきているのです。

実際に私も最初の2年間は全くエンジニアが集まらず苦労しつつも、諦めずに続けた結果、会社が成長しバイアウトできる規模まで成長しました。

最後まで読んでくれたあなたなら、必ず成功すると信じています。ぜひ「うまくいくまで続ける」ということを意識し、根気強く挑んでみて下さい。

最後に

このステップを踏んでいき、SES事業で利益を上げていけるようになったら、バイアウトをすることでまとまった資金が入ることはほぼ確定しているといっても過言ではありません。

つまり、B:ビジネスオーナー(Bussiness owner)として歩んでいくか、I:投資家(Investor)として歩んでいくかの選択肢を得られている状態なんです。

また様々な苦労をしていく中で、E:会社員(Employee)やS:自営業者(Self Employee)では得られなかったような知識や経験を得て、あなたは次に「やるべきこと」が見えてくるタイミングがあるかもしれません。

その時に作った会社をバイアウトするか、それとも作った会社の中で新規事業をしていくかを選択することができるのです。

もし次に「やるべきこと」がもし今の会社では実現できないと思った場合や、I:投資家(Investor)を目指していきたいと思った場合はバイアウトする決断をして次のステップに進んでいきましょう。

以下にバイアウトをする手順をまとめたのでぜひ確認してみて下さいね。