エンジニアがフリーランスになるためのステップ(E→S)

エンジニアがフリーランスになるためのステップ

まず、E:会社員(Employee)として働いているエンジニアはS:自営業者(Self Employee)=フリーランスエンジニアを目指していきましょう。

そもそも「E・Sって何?」という方やエンジニアが経営者を目指していくべき理由は下記に記載しているのでぜひ読んでみて下さい。

エンジニアがフリーランスになる目安

そもそもエンジニアがフリーランスとして安定的に収入を得ていくためには、実務経験3~5年以上が目安と考えて下さい。

「実務経験1年でフリーランス!」という話もたまに目にしますが、ここ数年でエンジニアに対するハードルも上がったこともあり業界経験1~3年というのはまだまだ駆け出しエンジニアとみなされ安定的に案件を獲得できない可能性が多いにあります。

また他の人がフォローしながらでないと作業を進められないというスキル感でもNGです。一人称で作業できるという自信は必要です。

もしその自信が無いのであればもう少し今の会社で経験を積むということも考えてみましょう。

エンジニアがフリーランスとなるためには実務経験3~5年以上で一人称で作業を実施できることが望ましい

フリーランスエンジニアとしての働き方

フリーランスエンジニアとして働く場合、クライアントから仕事を獲得する場合の契約形態は請負契約(受託)か準委任契約(SES)のほぼ2択。

以下にてそれぞれの契約形態の特徴や違いを解説していますので、確認して下さいね!

フリーランスになる前の事前確認 ①

会社員から事前確認も無しにフリーランスになってしまうと困ってしまうことがあります。例えば一般的に会社員時代よりフリーランスでの活動の方が支払サイト(相手から収入が入ってくるまでの期間)が長いため、生活するお金が無くなり消費者金融から借金したという知人も実際にいました。

まずはしっかり事前確認すべき項目をまとめているので、これに従って事前確認し対処した上でフリーランスへ移行するようにしましょう。

フリーランスになる前の事前確認 ②

焦って会社を辞めず、エージェントに壁打ち

フリーランスとなる場合の目安は実務経験3~5年以上とお伝えしましたが、それを満たしていても自身の技術と経験がフリーランスとして通用するのかわからない場合があると思います。

間違えてもいきなり会社員を辞めてフリーランスになろうと思わないでください!

自身がフリーランスとして通用するのか、エージェント会社に登録して一度打ち合わせをセッティングしてもらいましょう。エージェント企業により得意分野も違うので、必ず複数のエージェント企業に話を聞いてみるようにして下さい。(話を聞くべきエージェント企業はこちらで紹介しています)

会社員であっても”フリーランスを目指そうと思っている”というテイであればエージェント会社も快く相談に乗ってくれるところが多いです。

その際の聞き方としては、以下を参考にしてみて下さい。

・私にマッチする案件は直近でありそうですか?
・どのくらいの営業期間で決まりそうですか?

この時に相手が難しそうな反応をした場合はまだ会社員として経験を積んだ方が良いかもしれません。

また、エージェントとの打ち合わせ時の注意点としては現在所属している会社との退職日が決定していない中でエージェントが営業活動を始めてしまうとトラブルの元になるので、打合せ時には退職日が決定したら営業を開始するようお伝えするようにしましょう。

怪しげなエージェントには気をつけるべし

ここで気を付けるべきことがあります。
エージェント企業選びには注意しましょう。

エンジニアを乗り気にさせたにも関わらずエンジニアが会社を辞めた後に連絡がつかなくなってしまったり、あなたの経歴を詐称して案件をとってくるような悪徳なエージェントも未だにあります。
また契約を結んだ会社が倒産してしまうと、せっかく働いた分のお金が入ってこなくなり泣き寝入りするしかなくなります。

オススメのエージェント企業一覧

私は会社をバイアウトした後も含め数年に渡りSES会社を運営しており、複数のエージェント企業とも取引があり企業の内情等もいろいろ聞いてきました。

そんな私が”ここは大丈夫”というエージェント企業のみ紹介していますので、ここで紹介するエージェント企業へ問い合わせと打合せをしてみて下さい。

またフリーランスとなった場合の報酬金額をどう決めたら分からない方も多いと思いますので、打合せ時に複数のエージェントに報酬金額感を確認してみて下さい。

フリーランスになると決めたらすべきこと

事前準備を通してフリーランスになっても大丈夫ということが分かりフリーランスになることが決まった場合、やるべきことは2つあります。

退職日を決める

現在所属している会社へ退職の意向をメールで伝えましょう
会社の就業規則で1カ月以上前、会社によっては2カ月以上前に辞めることが決められている場合があります。

労働基準法上、辞める2週間前に退職届を出せば問題無いのですが、今後独立して仕事をしていく人として「立つ鳥跡を濁さず」の精神は必ずもつべきで、所属会社と円満に退職できるよう交渉していくのがベストです。

退職日についてはしっかり所属会社と協議をし、お互いの妥協点を見出した上で退職日を決定してください。

また、メールで伝える理由ですが言った言わないのトラブルを避けるためにエビデンスを残すために大切なことです。(今回の件に限らず独立したら特に大事なことはメールや文書等でエビデンスが残る形でやり取りすることが大切になってきます)

退職日が決定したら退職届を会社にメールもしは文書で送りましょう。退職届のフォーマットは会社で準備されている場合はそちらを使用、そうでなければネットで「退職届 フォーマット」と検索するとたくさん出てくるので探してみて下さい。

エージェントに営業開始の連絡をする

ここまでのステップの中でエージェントとコンタクトして面談しているはずです。
そのエージェントの担当者に退職日が決定しフリーランスとして従事したい日を伝えます。
そうすると今までの経験に合わせて案件を提示してもらえるようになります。

その際に伝える報酬金額は事前に複数のエージェントと打合わせした金額を参考にお伝えしましょう。

その後はエージェントのフローに従いフリーランスとして従事することが決定していきます。早い人だとエージェントに営業開始の連絡をして1週間ほどでフリーランス後の案件が決定すると思います。

契約書の内容確認等が必要になるのですが、ここでオススメしているエージェントであれば変に不利になるような契約内容になることは無いと思います。もし契約内容について不明点があればしっかりメールで質問・回答をもらい腑に落とし込んだ上で契約を締結していきましょう。

フリーランスとして使うべきサービス

フリーランスとして活動することが決まったら最低限、下記のサービスを利用しましょう。
ここに記載しているサービスも含め、機密情報の流失等を避けるために登録するwebサービスで2段階認証が設定できるのであれば必ず設定するように。

会計システム

フリーランスとして活動していく中で確定申告等が必要となる会計システムは必須となります。オススメは安価で使えるwebサービス。

freeeは会社を登記する際の開業サポートや会社を作った後に従業員を雇った場合の労務管理機能もあり、サポートもしっかりしているため今後のことを考えるとぜひ導入したサービスです。

無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」

フリーランス補償

フリーランスになり何か機密情報流出等の事故を起こした際は損害賠償が発生する場合があります。この時になにも対応していないと最悪の場合、借金を背負い再起不能になってしまう可能性があります。

そんな時のためにフリーナンスはぜひとも登録しておきましょう。

仕事中の事故や納品物の欠陥を原因とする事故の補償(最高5,000万円)だけでなく、情報漏えいや著作権侵害、偶然の事故による納期遅延などを原因とするフリーランス特有の事故の補償を行います。

このサービスの良いところは、この補償を受けることは無料です
この補償サービスを利用するだけであれば、エージェントから支払われる口座をいったんフリーナンスで発行される口座にする必要がありますが、自分への口座への振替手数料も掛からず完全に手数料無料で運用できます。

FREENANCEの無料口座開設はこちら

このサービスのマネタイズポイントは請求書の買取りや所得補償サービスも提供で利益を出すことで無料で補償を提供できているようです。(有料サービスは使っても使わなくても大丈夫です)

フリーメール

フリーランスと活動していく専用のメールアドレスも準備しましょう。独自ドメインのメールアドレスでも良いですが、gmail等のフリーメールアドレスでも十分です。

確定申告時の税理士

Webサービス等ではないですが、確定申告は税理士を探し、レシートや売上の仕訳も全てお願いするのが良いでしょう。
会計仕訳に詳しければ自身でfreeeで仕訳して確定申告するのでも全く問題無いのですが、万一納税し忘れがあって税務署から指摘された場合、本来納付するべき金額よりはるかに多くの金額を納税する必要があるため専門家にお願いする方が良いです。
(税務署に目を付けられたら非常に厄介です)

フリーランス用の口座開設は必要?

ちなみにフリーランス活動用の口座を作った方が良いという記事も見かけますが、ここでオススメしているSESの働き方のみであれば複雑なお金のやり取りが発生するわけでは無いので必須ではありません。
またフリーランス補償で紹介したフリーナンスのもし心配であればフリーランスで使用するためだけの口座を作っても良いでしょう。

フリーランスとして活動が始まった後にやるべきこと

フリーランスになった後にすぐするべき手続き

実務経験があるエンジニアであれば、ここまでのステップでフリーランスになることはそう難しいことではありません。

無事、退職日を迎えフリーランスとして従事することができるようになったら必要な手続き等を行いましょう。

フリーランスとしてエージェント企業とやり取りすること

ここではオススメしているSESでの働き方を想定しフリーランスとしてエージェント企業とやり取りする必要があることを説明しています。

案件の継続確認

案件が継続して続くとしても契約期間は1カ月~半年毎の契約となることがほとんどで契約の切れ目の1カ月前には翌月以降の契約が続くかどうかの確認が必要になります。エージェント企業から案件の継続有無の連絡が無い場合はエンジニア本人からエージェント企業に随時確認するようにしましょう。

注文書の発行をしてもらう

案件の継続が確認できたら必ず発注書を発行してもらいましょう。エビデンスに残る形でメールや文書、クラウドでの契約をもらうようにします。

勤務表(稼働したエビデンス)と請求書の送付

SESの場合は勤務した時間を示す勤務表がエビデンスとなります。案件によっては現場担当者による印鑑も必要になる場合もあるので、ここは案件参画時に確認すること。
また、freeeから請求書を作成しメールにてエージェント企業に請求書を送るのを忘れないようにしましょう。エージェント企業によっては請求書の郵送も必要になることがあります。

請求書に必ず記載する事項は以下になります。

<請求書に記載する事項>
・宛先(エージェント企業名)
・発行者(エンジニア自身の名前)
・案件名
・金額 ※精算が発生する場合は計算を忘れずに
・支払期日
・振込口座情報

振込の確認

支払期日までに請求した金額が振り込まれていることを必ず確認し、万一振り込まれていない場合はエージェント企業に確認するようにしましょう。

最後に

フリーランスになるためのステップと、フリーランスとして基本的なフローは以上になります。
この流れでしばらくフリーランスとして動いていくことで、会社員時代ではエンジニアとしての仕事をしていただけだった一方で契約周りから請求まで全て一通り対法人とのやり取りはできるようになったはず。ここまでくれば独立するということはどういうことかということが大体把握できるようになるんです。

次のステップは自身の会社を作っていくことになります。ここまでくればもうすぐあなたはB:ビジネスオーナー(Bussiness owner)です。