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税金の種類を徹底解説!フリーランスが払う税金はどれ?

フリーランスとして活動しているみなさん、どんな税金を支払うべきか知っていますか?
フリーランスの税金支払い対策のひとつとして有効なのは「税金の種類を知っておくこと」です。
ここでは税金の種類について解説していくので、今後のフリーランスの活動の参考にしていってくださいね!

フリーランスには給与がないため、支払いが必要な給与が自動天引きされることはありません。自分で税金の支払いをしなければいけませんから、あらかじめ税金分の資金をプールするなど、計画を立てて税金の支払い対策をしなければならないのです。

税金の種類とフリーランスに課税のあるものを知っておくことで、あらかじめ支払いの準備ができますよね。自分で税金の支払いをしなければならないフリーランスだからこそ重要なことですね。

この記事では税金の種類について解説します!

この記事で理解できること

  • フリーランスと会社員の税金の違い
  • 日本の税金の種類や性質
  • フリーランスに関係のある税金にはどのようなものがあるか

フリーランスが自分で節税や税金の支払い準備をするための基礎知識をおさえておきましょう。

フリーランスは会社員と税金が違う!

フリーランスの場合、会社員のように給与から税金が天引きされたり、年末調整したりと、会社が税金関係のサポートをすることはありません。フリーランスは基本的に会社というものに所属していないからです。会社員とフリーランスの税金の違いとして第一に「税金の手続きに会社が関与するか」が挙げられることでしょう。

しかし、フリーランスと会社員の税金で違うのは、これだけではありません。他にも、税金面での違いがあります。フリーランスと会社員では課税される税金が違うのです。

たとえば、フリーランスの代表的な税金に「事業税(個人事業税)」があります。

フリーランスや個人事業主は事業税の課税がありますが(一部例外あり。後述)、会社員はありません。サラリーマンの給与明細に事業税という項目はないはずです。このように、フリーランスと会社員では支払う税金も違ってくるわけです。

会社員からフリーランスになり立ての人は、よく税金に戸惑います。会社員のときと違った税金の請求が届いて「こんな税金も払うの!?」となってしまうからです。

税金を請求されてびっくりしている人は、当然ですが支払資金の準備をしていないことが多く、結果として税金の支払いに苦慮する可能性があるわけです。中にはフリーランスと会社員の税金の違いをよく分かっていなかったため、税金支払いのために泣く泣く会社員時代の貯金を切り崩すケースもあります。

日本の税金は「儲けがあれば性質に合わせて課税」である

フリーランスに関係のある税金について確認する前に、日本の税金の性質についてもおさらいしておきましょう。日本の税金の性質をあらためて理解することで、フリーランスが関係のある税金を基礎知識としておさえることの重要性がさらに明確になるはずです。

日本の税金は「利益(儲け・プラス・収入)があれば課税」が基本です。

会社員は給与をもらいますよね。会社員の給与は収入でありプラスです。よって、給与に対して所得税が課税されるわけです。

また、この会社員が父親の預金や不動産など遺産を相続すれば、やはり利益でありプラスが発生します。遺産によるプラスは給与などの所得ではありません。よって、所得税の課税対象ではなく相続税の対象になります。

さらにこの会社員が知人から不動産の贈与を受けたらどうでしょう。不動産をもらっているわけですから、利益でありプラスです。贈与は相続でもありませんし、働いて稼いだプラスでもありません。贈与の場合は贈与税の対象になります。

このように、プラスの性質によって課税される税金が変わってくるわけです。課税された税金が変わるということは、税率も変わってくるということです。

相続や贈与などはフリーランスも会社員でも同じではないかと思うかもしれません。確かにその通りなのですが、フリーランスの場合は「いろいろな仕事をする可能性がある」という点で会社員よりもさらに税金事情が複雑化する傾向にあります。

たとえば、フリーランスであるAはエンジニアとして仕事をしていました。エンジニアとしての収入には所得税などが課税されています。Aはこの他に将来のための資産形成として投資をしていました。

投資の税金とエンジニアとしての所得の税金は違います。エンジニアAが別業種に仕事を拡大すれば、仕事の課税関係も複雑化します。フリーランスの場合、エンジニアなどひとつの業種で働いていたとしても、法人化や新しい資格の取得により仕事を増やすことも少なくありません。仕事を増やせば増やすほど収入はアップしますが、課税関係はさらに複雑になります。

フリーランスは「どのような儲けに対してどのような税金が課税されるのか」をチェックしておき、備えておくことが重要になるわけです。備えるためには、税金の基本的な知識をおさえることが大切になります。

フリーランスに関係のある税金一覧

ここからはフリーランスに関係のある税金について順番にお話しします。フリーランスは税金について備えるため、税金の基礎知識を知っておくことが重要だとお話ししました。さらに一歩進んで、個別の税金について見て行きましょう。

フリーランスに関係のある税金には以下があります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 復興特別所得税
  • 健康保険料
  • 個人事業税(事業税)
  • 消費税
  • その他

所得税や住民税などはお馴染みかもしれません。消費税も買い物のときに御馴染みの税金かもしれないですね。新米フリーランスにとって一番馴染みのない税金は個人事業税(事業税)かもしれません。

それぞれどのような税金なのでしょう。

所得税

所得税とは「1月1日~12月31日までの個人の所得」に課税される税金です。要するにフリーランスの稼ぎに対する課税になります。サラリーマンも給与に対して所得税が課されます。日本の社会人の多くにとって馴染みのある基本的な税金のひとつであると言えるでしょう。

所得税は所得が増えると税率が変動します。所得など計算のもとになる金額に応じて税率が段階的に高くなるタイプの税金を累進課税(累進課税制度)といいます。

所得税の税率は5~45%です。

たとえばあるフリーランスの所得が1,200万円だった場合、税率は33%になります。単純計算で稼ぎの3割は所得税で持っていかれる計算です。所得が増えるとその分だけ税率が上がるため、フリーランスの所得税額もアップします。

所得税は国に納める国税の一種です。フリーランスは毎年の売上・経費・所得・所得税額などを計算して確定申告の手続きをしなければいけません。所得税は確定申告にもとづいて税額が決まります。

住民税

所得税が国税であるのに対して住民税は地方税になります。地方税とは地方自治体に納める税金です。

住民税は自治体が市民に提供するサービスのための財源になります。自治体の窓口で相談をするときなどは、基本的に相談料は取られませんよね。「無料だ」と思っているかもしれませんが、住民税を払っているため、無料に見える有料とも言えるかもしれません。

住民税は地方税なので、自治体から請求されます。住民税の計算にも確定申告のデータが使われます。確定申告をしていれば別途、住民税についても申告をする必要はありません。

復興特別所得税

復興特別所得税は2013年から課税がはじまった比較的新しい税金です。東日本大震災からの復興財源にすることを目的に2037年まで課税されることになっています。復興特別所得税の税額は所得の2.1%です。

復興特別所得税も確定申告の際に所得税と一緒に申告しなければいけません。ただ、所得税と別に手続きが必要というわけではありません。確定申告書類の記載欄に復興特別所得税を書くところがありますので、該当欄に数字を記入すれば問題ありません。

健康保険料

国民健康保険料も自治体に納めなければいけません。国民健康保険料は一律ではなく、フリーランスの収入によって変わってきます。

また、国民健康保険料の保険料率は自治体によって違うため注意が必要です。国民健康保険の負担割合や受けられる保障は同じでも、自治体によって保険料率が違っているため、収入が同じフリーランスたちが違う国民健康保険料の額を負担していることは珍しいことではありません。住んでいる自治体が違うためです。

個人事業税(事業税)

個人事業税(事業税)とは、事業を営んでいる個人に対する課税です。フリーランスも個人で事業を営んでいる(個人で仕事をしている)わけですから、個人事業税を納めなければいけません。

個人事業税納付の有無が会社員とフリーランスの大きな違いかもしれません。個人事業税は個人事業主への公共サービスの提供を目的に課税されています。会社員からフリーランスに転向した人は「所得税や住民税を払っているのに個人事業税という別の税金まで取られるのか」と驚くことでしょう。

なお、個人事業税は個人事業主/フリーランスすべてに課税されるわけではなく、課税対象とされている業種で仕事をしている人にのみ課税されます。多くの業種は課税対象になるため、課税対象外の業種をおさえた方が分かりやすいことでしょう。

個人事業税の課税対象外になっているのは文筆業や漫画家、農業、林業、画家、音楽家、スポーツ選手などです。同じフリーランスでも業種によって課税される人と課税されない人がいます。

消費税

消費税は物の売買やサービスの提供に課税される税金です。日本で生活する上で最も馴染みのある税金かもしれません。

店で物を購入すると大人でも子供でも、支払いのときに消費税を上乗せされた金額を支払うことになります。所得税は基本的に大人(仕事をしている人)で、幼い子供は関係のない税金です。しかし消費税の場合は、幼稚園児でも物を買えば発生します。大人から子供まで関係のある税金として、フリーランスのみならず多くの人のため息の原因になっているのが消費税です。

消費税には「間接税である」という特徴があります。間接税とは、税金を納める人と支払う人が違う税金のことです。消費税は物を買ったときに代金に上乗せして払いますよね。物を購入する人は、何かを買った時点で消費税を店に渡しているわけです。店が客から預かった消費税を納めるという仕組みになっています。納める人と払う人が違っていますよね。

フリーランスが物を買うと、消費税を上乗せして払う点で同じです。ただ、フリーランスの場合は店側の立場になることもあります。この場合は取引先や顧客から受け取った消費税をフリーランスが納めなければいけません。

消費税に関してはインボイス制度というフリーランスがおさえておきたい制度も登場しています。話題になっている税金ですので、早めに基礎をおさえておきましょう。

その他の税金

フリーランスがこの他に払う税金には次のような税金があります。

  • 自動車税
  • 軽自動車税
  • 印紙税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税     など

フリーランスであればこれらの税金をすべて払わなければならないというわけではなく、状況に応じて払うことになります。

自動車や軽自動車を所有していれば、自動車税・軽自動車税を納めることになります。契約書などに印紙を使えば印紙税の対象です。フリーランスが仕事の拠点として不動産を購入すれば登録免許税や不動産取得税なども発生する可能性があります。

税金をおさえるためには節税をしっかり!

フリーランスには所得税をはじめとして多数の税金が関係します。

フリーランスと税金は基本的に「仕事が順調だと税金も順調に増える」関係です。あまり面白くない関係と言えるかもしれません。フリーランスの収入が増えるとその分だけ税金負担が増える関係にあるため、フリーランスは税金について対策しておかないと、手元に残る収益が乏しくなってしまいます。手元により多くのお金を残すためにも、フリーランスにとって節税は重要な問題です。

節税には控除の利用など、さまざまな方法があります。税金の基本的な知識をおさえ、事情にあった節税を考えてみてはいかがでしょう。税理士などの専門家に節税についてもアドバイスをもらっておく方法もおすすめです。

最後に|税金の基礎知識は常に最新情報をとっていこう

フリーランスの税金についてお話ししました。

フリーランスに関係する税金には所得税や個人事業税などさまざまな税金があります。税金について知っておくことで「このような税金を課税されると思わなかった」という不意打ちのような事態を避けることが可能です。会社員からフリーランスに転向した場合は、個人事業税の課税に戸惑いやすいため注意してください。

フリーランスが支払う税金の基本知識を頭に入れて、そして最新の情報を常に把握しておくことで、税金の試算方法など応用知識も理解しやすくなります。

インボイス制度など新しいルールも出てきています。税金の新ルールを覚えるためにも基本は早めにおさえておきたいですね。